諸君 私は麻雀が好きだ
諸君 私は麻雀が好きだ
諸君 私は麻雀が大好きだ
断ヤオが好きだ
一盃口が好きだ
七対子が好きだ
対々和が好きだ
混老頭が好きだ
二盃口が好きだ
三暗刻が好きだ
三槓子が好きだ
純全帯が好きだ
立直 一発
平和 門清
三元 染手
自風 場風
嶺上 海底
この地上で行われるありとあらゆる麻雀試合が大好きだ
オーラスでトップ直撃で逆転するのが好きだ
逆転された敵の涙を見た時など心がおどる
相手が自信満々で早巡リーチする時追リーチするのが好きだ
一発放銃後悲鳴を上げてこの世の終わりのような表情を浮かべたなど胸がすくような気持ちだった
圧倒的な雀力で敵を蹂躙するのが好きだ
崩壊状態の敵がレイプ目で雀卓に撃沈される様など感動すら覚える
連槓による敵を絶望へ追い込んでゆく様などはもうたまらない
泣き叫ぶ相手が私の振り下ろした手の平とともにツモの声を上げる四槓子にばたばたと薙ぎ倒されるのも最高だ
哀れな凡人達が雑多な劣等能力で健気にも立ち上がってきたのを
四暗刻の嶺上開花が信念ごと木端微塵に粉砕した時など絶頂すら覚える
海底撈月に滅茶苦茶にされるのが好きだ
勝つはずだった対局が直撃で逆転され親はツモされていく様はとてもとても悲しいものだ
ドラゴンロードの大量ドラに押し潰されてトバされるのが好きだ
役満に追いまわされ害虫の様に地べたを這い回るのは屈辱の極みだ
諸君 私は麻雀を 地獄の様な麻雀を望んでいる
諸君 私に付き従う部員諸君
君達は一体何を望んでいる?
更なる麻雀を望むか?
情け容赦のない糞の様な麻雀を望むか?
鉄風雷火の限りを尽くし三千世界の鴉を殺す嵐の様な麻雀を望むか?
『麻雀!麻雀!麻雀!』
よろしい ならば麻雀だ
我々は渾身の力をこめて今まさに振り降ろさんとする握り拳だ
だがこの暗い闇の底で三年もの間堪え続けてきた我々にただの麻雀ではもはや足りない!!
殺人麻雀を!!
一心不乱の殺人麻雀を!!
我らはただの麻雀部 十人に満たぬ敗残兵に過ぎない
だが諸君は一騎当千の異能力者だと私は信仰している
ならば我らは諸君と私で総雀力100万とんで1のチームとなる
我々を忘却の彼方へと追いやり眠りこけている連中を叩き起こそう
点棒をつかんで引きずり降ろし眼を開けさせ思い出させよう
連中に恐怖の味を思い出させてやる
連中に我々のロンの音を思い出させてやる
天と地のはざまには奴らの哲学では思いもよらない事があることを思い出させてやる
わずかな部員の麻雀部で 世界を燃やし尽くしてやる
『会場…!!会場の灯だ…!!』
そうだ あれが遂に我々が待ちに望んだ全国大会のひかりだ
私は諸君らを約束通り連れて帰って来たぞ
あの懐かしの会場へ
あの懐かしの麻雀へ
『大将 大将殿 部長代理 部長代理殿』
そして魔物は遂に敗者の屍を越えてインハイへのぼる
麻雀部部員に伝達!!部長命令である!!
さあ諸君 地獄を作るぞ